よくあるご質問

Q.構造用集成材の品質管理は、どのようにしているのですか?

構造用集成材工場では厳しい品質管理のもとで構造用集成材が製造されています。 構造用集成材の品質管理は、概ね次の通りです。

(1) ラミナ(ひき板)の資材受け入れ検査
(2) ラミナの強度選別(グレーディング)検査
(3) ラミナの含水率検査
(4) ラミナのプレーナーによる厚さ及び削り検査
(5) フィンガージョイントの接着塗布及び圧力の管理検査
(6) 接着剤塗布量及び圧力の管理検査
(7) 接着された部分の接着強度検査
(8) 製品の寸法精度検査
(9) 表面仕上げ検査

製造工程毎の製造品質管理がなされて、強度性能が表示された信頼される構造用集成材が出荷されています。

Q.構造用集成材は乾燥によって割れる事がありませんか?

木材である構造用集成材は、室内の湿度が高くなると湿気を吸収し、室内の湿度が下がり乾燥すれば、湿気を吐き出すなどの働きをしています。最近の住宅にはアルミサッシを使用するため気密性が高くなっています。更に透湿性が少ないビニールクロスを室内に使用することが多く、エアコンなどによる湿度変化が激しく、木材を使用するには厳しい環境になっています。このような住宅などではエアコンによる除湿によって木材を乾燥し過ぎの状態にするため、表面割れが生じる事がしばしばあります。構造用集成材の含水率は15%以下で製造されていますが、エアコンから放出される乾燥した冷風が木材に直接あたると、表面は7%程度まで乾燥するので、乾燥収縮による割れが発生する事があるのです。これと同様の現象はガラス越しで太陽光線が直接あたる梁などでも発生する事があります。一般に密閉し易い住宅では室内が乾燥し過ぎないように、湿度を調整できる加湿装置などを設置するなど木に対する配慮が望まれます。

また、このように割れていても通常の強度は、確保されているので問題がありません。

Q.集成材の耐久性について説明してください。

構造用集成材に使用される接着剤は十分に高い耐久性があります。例えば、自衛隊の掃海艇は集成材を使った木造船ですが、長年使用した掃海艇を解体して接着性能を検証したところ、接着部での強度低下は全く見られませんでした。海外の古い構造用集成材を使用した木造建築物の調査結果でも、接着剤の強度低下は認められませんでした。構造用集成材の強度低下を防ぐ上では、木材そのものの防虫や防腐の処理を行うなどの適切な保守管理が重要です。

Q.耐久性区分では、D1に区分される樹種はどのようになっていますか?

「製材の日本農林規格」では、保存処理薬剤の浸潤度規準における耐久性樹種区分が次のように定められています。
「耐久性D1の樹種は、ヒノキ、ヒバ、スギ、カラマツ、ベイヒ、ベイスギ、ベイヒバ、ベイマツ、ダフリカカラマツ及びサイプレスパインとする。耐久性D2の樹種は、上記の樹種以外のものとする」とされています。
「集成材の日本農林規格」では、構造用集成材は強度等級に区分されますが、樹種も表示するように規定されています。
集成材の耐久性区分について、例えば、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」の評価方法基準(平成13年国土交通省告示第1346 号)では、劣化対策等級の評価基準に「軸組等に構造用製材規格及び枠組壁工法構造用製材の日本農林規格に規定する耐久性区分D1の樹種に区分される製材又はこれにより構成される集成材等でその小径が12.0cm以上のものが用いられていること」などの規定があります。
従って、「集成材の日本農林規格」では樹種に対する耐久性区分の規定は有りませんか、「製材の日本農林規格」と同様の扱いになるものと考えられます。

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